写真・映像用品を取り扱うメーカーが集まる団体
日本写真映像用品工業会は、写真や映像を撮影するカメラ向けの用品や周辺機器を取り扱うメーカーが参加する業界団体です。
1961年に写真を撮影するカメラ向けに日本写真用品工業会として団体を発足しましたが、その後の映像機器の普及の流れにあわせ1991年には日本写真映像用品工業会に名称変更しています。2016年4月の段階で48の企業が団体へ参加しており、さらに、望遠鏡の業界団体からも協賛を得ています。
参加企業には、カメラそのものを開発している光学・電機メーカーや、三脚やレフ板といった周辺用品を扱うメーカーが名を連ねています。また、外部メモリーの開発・販売会社も参加していることから、デジタルカメラの時代になったことを感じさせます。
日本写真映像用品工業会は、参加団体の友好な関係をベースに写真用品や映像関連用品の発展を目指しています。目的の達成のために、業界の動向や課題について調査を行い解決するための施策の実施をしたり、官公庁に対して施策の連絡と解決のための前向きな議論を行っています。
また、会員同士での共同事業や、友好団体との連携による業界の発展を目指す取り組みの実施も行っています。具体的な運営を行うために、組織には三脚やスタジオ機材など、それぞれのテーマについて深く話し合うための7つの部会を設置しています。さらに、環境問題・貿易問題・規格に対するアドバイザーを設置し、社会との調和を前提とした提案ができる体制を整えています。
そういった体制の中で、団体としては、展示会への出展や、写真・映像用品のカタログの発行、団体としての製品の規格の制定を行っています。さらに、一般のカメラや映像を趣味とする方のための、コンテストやセミナーも開催しメーカー・利用者のすべてにとって写真・映像の世界が魅力的になるように働き掛けています。
業界活動としての規格化とカタログの発行
日本写真映像用品工業会は、業界の健全な発展を目指す活動として、安全で使いやすい製品の開発環境の実現にも力を入れています。
たとえば、カメラ用の三脚は、華奢な構造だと倒れてしまい高価なカメラを破損するだけでなく、三脚を利用している人のケガにつながる恐れもあります。そういった事態にならないように、三脚部会では日本写真映像用品工業会としての規格を制定しています。
JPVAA S-101は、カメラで利用される三脚の基本的な部位や構造を定義し、安全や使い易さについてメーカー間で比較しやすい環境を作ろうとしています。JPVAA S-102では、最大積載荷重量について各社でバラツキが出ないように、荷重の測定方法や雲台の設置方法などについて定義しています。これらの規格は、必要に応じて更新されており、規格番号の後ろに更新年が付加されています。
日本写真映像用品工業会では、参加企業の製品を業界と利用者の方に紹介するために、毎年一回「写真・映像用品年鑑」というカタログを発行しています。写真・映像用品年鑑は、カメラ用品販売店や写真のプリントアウト会社へも卸されており、カメラに携わる方々が業界の動向を知ったり、適切な機材の選択をする上での助けとなっています。
写真・映像用品年鑑は、団体のホームページでデジタルブックとして閲覧することもできるため、カメラユーザーにとっても役立つ媒体となっています。
「写真ファンのバイブル」と銘打っている通り、350ページを超えるボリュームの本には、三脚やストロボといった付属品に加え、ミニスタジオや収納ボックスなど54品目・40を超えるメーカーの様々な製品が紹介されています。各品目とメーカーの対応表も掲載されているため、目当ての製品を簡単に見付けられるようになっています。
展示会・コンテストなどのPR活動
日本写真映像用品工業会は、業界だけでなくカメラを取り扱う方々へのPR活動にも力を入れています。
毎年2月に開催され、毎回6万人を超える集客を誇るCP+には協賛を行うとともに、団体のブースを出展しています。また、110社を超えるカメラ関連企業が参加するPHOTO NEXTにも主催団体の一つとして協賛を行い、ブースの出展もしました。CP+では、後述するフォトコンテストの入賞作品を展示するとともに、写真・映像用品年鑑の即売も行いました。
また、CP+2016では、初めての試みとして、日本写真映像用品工業会に参加する企業の出展ブースにカメラを設置し、団体のホームページからリアルタイムで中継を行いました。会場へ足を運ぶ前に閲覧すれば、企業の出展する製品の見所も分かります。
日本写真映像用品工業会では毎年「WEBフォトコンテスト」を開催しています。どなたでも写真を撮る楽しさを知ってもらいたいという考えから開催しているため、コンテストへの参加はホームページ上から行うことができます。写真もスマートフォンで撮影したものでもOKで、投稿も現像したものでなくJPEG形式のデータで行うことができます。また、他の投稿者の写真をホームページ上から見られるため、写真を撮る際の被写体や構図の参考にもできます。
写真をより楽しんでもらうためのPR活動は、他にもあり、定期的に撮影や機材の効果的な使い方を学べるセミナーも開催しています。セミナーに参加できない方でも、ホームページ上ではWEB写真上達講座がアップロードされているので、気軽に撮影の楽しさを学ぶことができます。
本写真映像用品工業会のホームページはこちら
カテゴリー